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ホンダはこのアスコット・イノーバあたりまでは、クルマをなるべく低く幅広作ろうという意思が強力に働いていた。
このボディスタイルには、その古い時代のホンダ車のイメージが色濃残っている。
ホンダはアスコット・イノーバの内装をなぜかバタ臭せず、まるで15年前のクラウンのようにした。
中間色のグレーに近いファブリックに黒いかき傷のついたようなインテリアなど、かつてクラウンが好んで使ったファブリックにソドックスなチェック、あるいはイギリス的なタータンチェックでもいいし、さらにはハウンドトゥースという千鳥格子のようなものでもいい。
とにかく もっとホンダらしさを工夫してもらいたいところであるO 当初インスパイア/ビガーは日本マーケット専用車だったが、現在ではアメリカマーケットでもアキユラ系列で売られている。
アメリカでもあまり評判がいいとは聞いていない。
次のインスパイア/ビガーは、ラファーガのフロアパネルを使って作られるかもしれない。
なぜなら基本的なレイアウトは同じだからだ。
はたして次のインスパイア/ビガーが、もっとイギリス的なインテリアを持つクルマとなるのかあるいはアコードの成功にならってうんとアメリカ人好みになるのか、そこのところはまだわからない。
次のインスパイア/ビガーエンジンを載せているだろう。
アメリカ人はストレート6とかへ ストレート5というエンジンには、あまり理解を示さない。
彼らはV6がお好みである。
となると、新しいインスパイア/ビガーはレジェンド風にV6を載せてアコードより少し高級というところをねらうのかもしれない。
例のバブルの時代へ マツダは、旧カペラをクロノス6兄弟に分解して、大ヴァリエーション作戦を展開へ マーケットを拡大しようとした。
マツダの思惑はものの見事にはずれへ クロノス・ファミリーは壊滅的な敗北を喫した。
今回マツダは、このクロノス兄弟のフロアパネルを活かして、カペラをふたたび登場させることとあいなった。
カムリ/ビスタと、きわめて近しいコンセプトのクルマである。
私は新しいカペラのコンセプトは、基本的に間違っていないと思う。
クルマにそうそうお金はかけられないという人は少なないはずだ。
そういうユーザーにこのサイズのボディにこの程度の内容があればまあ実用に足るだろうというところで作る。
コンセプトのクルマをそこのレベルで実現するには、いまのマツダは総合力が決定的に不足しているし、しかも活気というものがかなり落ちている。
そこのところは、いかんともしがたいものがある。
外装色がきわめて少ないし、内装もやたら簡略化され、色の種類がとぼしい。
こういう貧寒たるものを近未来の日本のユーザーが望んでいるとはとうてい思えない。
マツダ自製のオートマチック・トランスミッションはかなり改善された。
この2つのエンジンは、両者ともに比較的低速トルク型で使いやすい。
FF車で4気筒エンジンを載せるのは頭が軽なるなどの利点もある。
クロノス・ファミリーのフロアパネルに4気筒エンジンという組み合わせには、私は疑念を抱かざるをえない。
クロノス・ファミリーは、基本的には3ナンバーボディV6エンジンを搭載する成り立ちのクルマである。
そもそもマツダがクロノス・ファミリーにV6を与えたのは、V6の静粛性へスムーズさを活かそうということだったはずだ。
その同じクルマに4気筒を載せたらどうなるかということを,マツダはあまり深考えていない。
そこには,とりあえず4気筒を載せて安売ればいいという思惑しか見えてこない。
極端なことをいえば、セドリックやクラウンに3気筒エンジンを載せたらいったいどうなるだろうか。
自動車というものは、6気筒と4気筒では、あらゆることが異なっているのである。
マツダは新しいカペラのハンドリング,乗り心地,NVH(翌日・振動・突き上げ)について、会社として、重要ではないと見切ってしまった感じがある。
カペラは運転してみるときわめてロードノイズが高いクルマである。
少しスピードを上げるとグァツと音が高まり、リアシートの乗員は前のシ1の会話が聞こえなくなってしまう。
またへエンジンのノイズも、容易に室内に侵入してくる。
乗り心地もひどいとはいわないが、さしてよくない。
そのうえサスペンションやダンパーなどのコストをケチっているとみえて細かい振動を得たときにトラクションが低下する。
たとえば雨の日など、前輪が小さなスリップをくり返す。
要するにクルマとしての出来がよないのだ。
ライバルと比較して トヨタのカムリ/ビスタは、カペラとほぼ同時期に登場してきて、ほとんど同じコンセプトで作られている。
この2車を比べてみるとカペラはカムリ/ビスタとは比べものにならない威グルマ″である。
カペラを見ていると、マツダは現代の日本人の生活や、近い将来の日本人の変化についてほとんど、確固たる認識を持っていないように思える。
少なとも、そうしたものが,新しいカペラのマーケティングに活かされているようには見えない。
カペラはその低価格政策が当たって、現在、若干売れているという。
いまの「安いが一番」ブームなど、あっという間に過ぎ去ろう。
となるとカペラもそのブームの終鳶と同時に舞台から去らねばならないということになる。
ただ安いだけを売り物にしているカペラは、本当につらいところにいる。
それも、マツダにとっては問題の先送りでしかないと思うと、ますますつらい。
いかにコストを逓減して作ったとはいっても、このカペラだって、けっしてタダでできたわけではない。
どんなクルマでも,それを作るには資本を投下しなければならないし、人的パワーも必要である。
そう考えると、マツダはもっとがんばらなくてはしかたがないではないか。
できません、あれもできませんといった、会社の事情をそのまま反映させた商品を作り、それをユーザーに買わせるというのは、ユーザーに対してあまりに失敬ではないだろうか。
かつてマツダは、販売網の5チャンネル制を敷き、相当無理をして車種をそろえへ一気に城から打って出た。
一敗地にまれへ現在は大ピンチに立たされている。
だからこそ、ない知恵をしぼってでも、大胆な提案をしてほしい。
こんな危機のときこそへクルマ屋にはマリアン・ケラー女史のいう、根っからのカー・ガイ″が必要なのだ。
マツダに骨のあるカー・ガイがいたら、このカペラにしても、インテリアのセンスがいいなとかスタイルがちょっとおもしろいということだけでも、何か努力したという気にさせてくれたはずだ。
だが私はこのカペラを見ても、そうした努力がなされたようにはとうてい思えないのである。
マツダは例の販売5チャンネル戦略を、このクロノス兄弟で戦おうとしたがいかんせんその販売量は全車あわせて月に0台にも達しないというありさまでマツダはきわめて苦しい立場に追い込まれることになってしまった。
メーカーとしては異例のデザイン担当重役を置など、ボディデザインに相当力を入れた。
その体制下へデザイナーのさまざまなアイディアが登用された。
マツダのデザイナーにとっては、いい勉強の機会となったであろう。
悲しいかなハンドリングにしろ、乗り心地にしろ、未完成なところが目につきすぎた。
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